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入学式-式辞に代えて-【学長メッセージ】

入学された皆さんへ -式辞に代えて-


 桜が満開となってきました。晴れて奈良学園大学に入学された皆さん、誠におめでとうございます。教職員とともに心よりお祝いを申し上げるとともに皆さんを歓迎いたします。また、入学された皆さんを何かにつけて支えて来られたご家族やご関係の方々に敬意を表し、心よりお祝いを申し上げます。

 通常であれば、入学式はもちろん盛大に挙行するところです。せっかく楽しみにしていただいていた入学式が執り行われないとなると皆さんは本当に残念でしょう。私たち教職員も同じ気持ちです。しかし、皆さんもお分かりのように、新型コロナウイルス感染症拡大を抑える必要があることから、中止の決断をせざるを得なかった事情にご理解をお願いいたします。

 さて、奈良学園大学は、「時代の進展に対応し得る基礎知識を持ち、現実をよく見据えたうえで、心身ともに豊かでたくましい実践力をつける」ことを基本理念としています。本学の人間教育学部と保健医療学部、および大学院看護学専攻では、この基本理念に沿い、専門知識と実践力を持ち、人のために行動し、人のために尽くし、人を支えることができる「良き教育者」、「良き保健医療職者」を育て社会に貢献することを目標として日々の教育・研究に邁進しています。大学案内の表紙に書かれてある「人を支える人になる」は育って欲しい学生像です。

 人間教育学部では、教育に関する基礎知識と技術を習得するためのカリキュラムはもとより、それらの実践力を高めるため一年次から学校現場に赴く仕組みが用意されています。また、「人間力」、すなわち人間としての深み、豊かさ、社会を生き抜く力、を身につけることができるよう、奈良の伝統的な文化に触れる授業や、グローバルな視野を広げる海外研修の機会が提供されています。また、部活やボランティアなどの課外活動も人間力を高めるのに有効であると考えます。三年次からは少人数のゼミによる指導が行われ、さらに、キャリアセンターを中心として教員採用試験合格を目指す人を徹底的に支援します。本学には学校現場や教育行政に深い経験をもつ教員が多く在籍しており、これらの取組を支えています。その結果、2年前初めての卒業生を送り出して以来、毎年教員採用試験合格者が増え続け、昨年度には各府県の教員採用試験で延べ42名が合格しました。人間教育学部へ入学された皆さん、各自が履修計画を立てて是非「良き教育者」になることを目指してください。

 次に、保健医療学部看護学科では、専門的知識と高度な技術の実践力を高めるため、人を愛し、誠実で、コミュニケーション能力の高い人が育っていくようにカリキュラムが組まれています。講義や実習ではタブレットを用い、学習能力と思考力を自ら高めるような取組を展開しており、実習設備も充実しています。さらにグローバルな視点から国際医療看護を体験できる海外研修プログラムもあります。その成果として2月に行われた看護師国家試験では合格率が95.7%でした。本学では4年間で助産師の資格を併せて取得することが可能ですが、それに挑戦した6名は全員合格、また、保健師の同時資格取得に挑戦した17名も全員合格しました。

 保健医療学部リハビリテーション学科では、国家資格である理学療法士と作業療法士をそれぞれの専攻で養成します。ここでは、これからの医療現場で必要な知識、技術とともに、この分野で必要性の高いコミュニケーション力が身につくようにカリキュラムが工夫されています。タブレットを用いた講義や実習を行うほか、三次元動作解析システムやバーチャル・リハビリテーションシステムなど最先端の設備が整えられています。理学療法士と作業療法士はともに、超高齢化社会に対応した地域包括ケアが進行する医療現場において、今後、活躍が大いに期待されている専門職です。とくに作業療法士の育成については社会からの要請が極めて高いと言えます。

 保健医療学部へ入学された皆さん、是非、地域社会に貢献する「良き保健医療職者」になることを目指してください。

 大学院看護学専攻入学の皆さんには、高等教育機関における重要な役割である「研究」の一端を担っていただき、課題の発見力と解決力、高度な看護の実践力を身につけた高度保健医療専門職者になるよう指導します。仕事もしながらで忙しいことと思いますが頑張ってください。

 高校を卒業したばかりの人の多くはまだ自分のやりたいことが決まっていないのではないかと思います。しかし、本学に入学される皆さんには、教員免許や医療専門職の国家資格を取得するという具体的な目標があります。それは素晴らしいことと思います。私たち教職員は、その目標に到達できるよう、「人を支える人」になってもらえるよう、皆さんを全面的に支援して行きます。

 これからの学生生活を始める皆さんに心がけていただきたいことを3点記します。

 第一に、「人を支える人になる」ための第一歩として、「豊かな心」を育むことを意識するよう心がけること、です。皆さんには、自分の幸せだけではなく周りの人達の幸せをも考える人になっていただきたいと思います。人は、自分が誰かの役に立てたと思える時に、充足と幸せを感じるものです。こうした「豊かな心」は人と人との交流の中で育ちます。学生生活を通して一生の宝となる友人を多く作ってください。

 第二に、日頃から物事を前向きに捉え、より積極的な考え方や生き方を目指せるような明るい性格の人になるよう心がけること、です。私はこれを「根明(ネアカ)の勧め」と言っています。根明とは、根が明るい、つまり前向きで明るい性格という意味です。いつも物事が順調に進む訳ではなく、壁にぶつかり心が折れそうになることも多々あるでしょう。実は、根明で居続けることは簡単ではありません。だからこそ、「根明でありたいと願いそのように心がけること」が必要なのです。

 第三に、少し休んでも良い。けれども「夢」や「目標」があって、それを達成しようと思うなら、あきらめてはいけない、ということです。自分の本当にやりたいことを探すこと自体も目標の一つでしょう。夢がなかなか叶わず迷いや不安があるときには、独りで悩まず、友人や先輩、教職員に助けてもらってください。本学では両学部共に指導体制として皆さん一人一人に担当の先生を決める担任制を採っています。担任の先生、友人など周りの人に助けを求めることは大切で、決して恥ずかしいことではありません。応援してくれる人はいますし、人には回復する能力もあります。あきらめず、少し休み、助けてもらい、元気になって再び目標に向かって進んで行ってください。

 最後になりましたが、人間教育学部の皆さんは、2年後、キャンパスが三郷から登美ヶ丘に移転することになります。建設計画中の新しい校舎での3年次からの修学に期待してください。下宿や通学路の変更など不便をかけることがあるかもしれませんが、移転後の学生生活に関する様々な課題については個々に対応して行きますので、安心してください。
 
 今年は本当に残念なことながら、新型コロナウイルスによる感染症拡大の懸念から、入学式を執り行うことを中止しました。それは、このウイルスが、感染しても症状が現れない場合が多く、それも特に10代、20代、30代のいわゆる若者世代で活動が活発な人たちが、知らず知らずのうちに感染者を増やしてしまう厄介なものだからです。今、皆さんに新しい友人を作るようにと記したばかりです。大学としてもコミュニケーションを図る機会を増やしたいと思うのですが、それが感染拡大に繋がる懸念があるため、残念ですがそれができません。大学が閉鎖されるような事態を避けるため、今しばらくは我慢をして、1)換気の悪い、2)人が密集し、3)近距離での会話・発声がある、の3つの条件のいずれかにあてはまるような行動を極力避けるように、加えて、マスク着用、手洗いを徹底し、皆さん自身が感染しないよう細心の注意を払ってください。オリンピック・パラリンピックも延期との判断が出ました。今、この時点で肝心なのはパンデミックを終息させることです。

 皆さんが実りある学生生活を送られることを心から祈念しています。

令和2年4月3日       
奈良学園大学 学長 辻󠄀 毅一郎