第2回「王寺町り~べるカレッジ」を開催しました
第2回「平成26年度王寺町り~べるカレッジ」は、JR王寺駅に隣接する王寺町地域交流センターで、『子どもの虐待について考える』をテーマに開催し、本学ビジネス学部の井上眞理子教授が講演しました。井上教授は、京都大学大学院文学研究博士課程を修了され、ファミリー・バイオレンスを中心に調査研究し、京都家庭裁判所家事調停委員を務めるなど多方面で活躍されています。
はじめに、本学の梶田叡一学長が挨拶で、「今春から奈良学園大学と名称変更し、全国から優秀で面白い研究をされている先生方に来ていただいた。この講座で、日頃研究されている内容を聞いていただけると思います」と語り、三郷キャンパスが近いので、定期的に開催するオープンキャンパスで学生と交じりながら、本学の特色ある学びを見ていただければ、と参加者へ来学を呼び掛けました。
講演では、井上教授が子どもの虐待発生のメカニズムとその防止策について、実際に起きた事件や統計資料を例に挙げ、自身の調査研究や体験談を交え概説されました。
特に、児童相談所への相談件数が増加した点が興味深いと話され、理由として地域社会の意識の高まりがあるとし、親族よりも近隣・知人による通報件数の増加を例に挙げられました。また、虐待は、身体的・ネグレクト・性的・心理的の4種類に分類できること、虐待が発生する原因は、リスク要因論・家族システム論・入れ子型エコロジカル理論の3グループに分けられることとその内容を紹介されました。
そして、「子どもへの虐待をなくすためにも、地域社会が関心を持ち力添えしていただくことが大切」と締めくくられました。最後に、参加者からの熱心な質問に丁寧にお答えして、今回の講演を終えました。
次回は、6月14日(土)14時から今回と同じく王寺町地域交流センターで、「他者影響力は行動を変える~上下関係認知研究の最前線~」をテーマに開催します。