第5回「平成26年度王寺町り~べるカレッジ」を開催しました
今回は、「平成26年度王寺町り~べるカレッジ」5回目のシリーズ2「精神(こころ)とからだ」を行い、『現代における「居場所」考』をテーマに、本学人間教育学部の岡村季光専任講師が講演しました。岡村講師は青年期の心理学を専門とし、追手門学院大学文学部心理学科を卒業後、奈良教育大学大学院で修士課程を修了。本学に今春から入職、教育心理学などを担当しています。
講演では、近年、よく使われるようになった「居場所がない」という言葉について、人々がどのように捉えているのか、また、実証的研究から見えているものは何か、「居場所」作りにはどのような視点が重要なのかについて、統計や調査結果を交えながら考察しました。
まず、「居場所がない」という点を考えました。体が存在する限りその人が存在しているのに、「居場所がない」と思うのは変な現象だとして、居場所には、物理的と心理社会的が含まれていること、さらに、居場所の構成概念として環境と感情の要因があることなどが語られました。
続いて、岡村講師は自身の研究結果から、居場所について「自分が安心していられる場所、すなわち、精神的安定が居場所の中核的存在」と定義付けました。そして、学生が協力した「現代社会の意識調査」を、参加者の皆さんにも協力していただき、学生の平均値と参加者自身がチェックした平均値を比較、調査により見えてくるものを考えました。
最後に、「居場所」作りの重要な点として、特に青年期の場合、大人になるまで導いてくれる人の存在が自立するために大事であるとの見解を示し、今回の講演を終えました。
参加者から「今まで考えたことがなかったテーマだったので、興味深かったです」「面白かったです。心理学的な見方から教えていただき、理解できました」などの感想が聞かれました。
次回は7月26日(土)14時から、「カメラを持って出かけよう・・・路傍の語り部との対話」をテーマに開催します。お誘い合わせの上、お越しください。