第6回「平成26年度王寺町り~べるカレッジ」を開催しました
今回は、第2シリーズ「精神(こころ)とからだ」の3回目を行い、『カメラを持ってでかけよう・・・路傍の語り部との対話』をテーマに、本学人間教育学部の小竹(しの)光夫教授が講演しました。小竹教授は書写・書道科教育(教育実践・方法論)を専門としております。
はじめに、自己紹介を兼ねて自身の経験談を交え、教員とは「専門用語を並べるのではなく、誰にでもわかりやすい言葉で内容を伝えることが大切」と、学生たちに伝えてきた持論を展開させました。そして、「アマチュアのプロ並みのカメラマン」と語り、書と写真を合わせた作品を数点紹介しました。それは、唐招提寺の金堂の屋根瓦から落ちる雨だれの写真と、書「鑑真和上の夢はるか」を合わせた作品など、新たな視線による作品でした。
次に、小竹教授は「路傍の語り部」を追い求め記録化し続けているきっかけにもなった、榊莫山氏の著書「野の書 書の美をたずねて」を紹介しました。石碑に刻まれた文字の素晴らしさ、下からの視線となる写真の構図、そして、刻まれている句をストレートに読むのか否か、事実はどうなのかなど歴史背景も視野に入れて読み解くことにより、見えてくる世界の違いや面白さなどを紹介しました。
最後に、「どれほど性能の高いカメラを持っていても、重くて自分の体力に合わなければ意味がない」と語り、長時間持ち歩いても負担のかからず自分の手に合ったカメラを持って出かけ、撮影する際の気遣いを忘れず、いつもと目線を変えながら"奈良"を歩くと、健康にもつながると締めくくりました。
聴講者からは「いつもと違った視点の話で面白かった」「楽しかった」「カメラを持って歩いてみようと思った」などの感想が寄せられました。
次回は9月20日(土)14時から王寺町地域交流センターで、第3シリーズ「古(いにしえ)のこころ」の1回目の『大和の観光名所―古典文学との関わりから―』をテーマに開催します。お誘い合わせの上、お越しください。