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第1回「三郷町ひまわりセミナー」を開催しました

三郷町文化センターで9月17日、平成26年度公開講座 第1回「三郷町ひまわりセミナー」を開催し、「絵本によるデスエデュケーション(Death Education)」をテーマに、本学人間教育学部長の松田智子教授が講演しました。

講演で松田教授は、阪神淡路大震災で被災し、橋を隔てた隣の地域では、日常の世界が広がっているという全く異なる景色に衝撃を受けた体験から、日本の教育現場ではタブー視されている「死」について、絵本を通して教育という観点からの研究を始めたことを語りました。

また、現在は昔と異なり病院で亡くなられる方が増加しているため、子どもたちが身近な人の死に直面する機会が少なくなり、死を体験として理解できなくなりつつあること、子どもは年代別に生死観が異なること、世界ではデスエデュケーションが行われていることなどを説明しました。

そして、世界中で数多く出版されているデスエデュケーションに係る絵本を紹介しました。絵本から、「死ぬことは生きること」の意味を理解するきっかけになること、主人公が身近な人の死を通して体験する悲嘆さからの行動と立ち直りに至るまでのプロセスを、読者も一緒に体験しその過程を理解できること、及び、大人が子どもに対する対応も学べると続けました。

松田教授は「絵本を読むと、人生とは何かを考えさせられるきっかけにもなる。絵本の各プロセスで、主人公がどのように考えて死を受け入れたのかを意識しながら読んでください」と語り、世界中で大ベストセラーになったウサギのキャラクターが登場する絵本「だいすきな おばあちゃん」を紹介して、今回の講座を終えました。

参加された4歳児の母親は「これまで死についての本を選ぶことがなかったが、絵本を通して、生きることを学ぶ方法もあるのだと知りました。子どもと一緒に大人も読むとよいと思いました」と感想を話しました。

このセミナーは年計3回を予定しております。
第2回は10月10日(金)14時~「地域と大学をつなぐボランティア・ワークの可能性」
第3回は11月14日(金)14時~「子どもたちの命を守る『安全・安心』~町と大人の役割」
お誘い合わせの上、お越しください。