第3回「三郷町ひまわりセミナー」を開催しました
三郷町文化センターで11月14日、本学の公開講座の第3回「三郷町ひまわりセミナー」(計3回、奈良学園大学主催、公益法人三郷町文化振興財団共催)を開催しました。
今回は、「子どもたちの命を守る『安全・安心』~町と大人の役割~」をテーマに、本学人間教育学部の松井典夫専任講師が講演しました。松井講師は大阪教育大学大学院修士課程を修了(修士・教育学)し、大阪府公立小学校教諭、大阪教育大学附属池田小学校教諭を経て、昨年4月より本学に入職。安全教育の妥当性に関する実証的研究等を専門としています。
講演で松井講師は、万一の災害や犯罪などから、どのようにして子どもたちを守ればよいのかということに関して、様々な事例を通して、日頃から危機管理意識を持ち訓練を重ねることが大切だと語りました。特に、児童が巻き込まれた事件後に勤務された小学校で、実際に不審者が侵入したのではないかと思わされるほど緊迫した状態で取り組む教職員の訓練の様子や、不審者を入れさせないための取り組みなどを、その理由とともにスライドで紹介しました。
次に、東日本大震災において、当時学校にいた児童と生徒の生存率100%という「釜石の奇跡」と称された学校を取材した内容を伝えました。その学校は、ハザードマップで津波到達の想定外地域だったにも関わらず、大学の先生の指導を受けて、津波がどれほどの速さで襲いかかるのかを感じさせるために車と競争し、安全とされる場所まで点呼なしですぐに逃げること、さらに、隣接する小中学校、及び、地域ぐるみで避難訓練を行ってきたことなどを挙げました。
最後に、松井講師は、自身の授業での取り組みを紹介しました。腹痛で路上にうずくまっている人から手を貸してほしいと助けを求められた場合、どのように対応するのかということを、子どもたちに問い、子どもたちが不審者だと判断するのか、周囲の大人に助けを求めるのかなど、子どもたち自身が考えた内容を伝えました。
そして、「子どもたちに自らの安全を確保できる判断力を身に付けさせることが大切」と語り、講演を終えました。