第2回登美ケ丘カレッジ・特別講演「人生の第4楽章と医療」
12月5日(土)、第2回登美ケ丘カレッジを開催しました。今回は京都大学名誉教授・天理医療大学学長の吉田修先生をお迎えして、「人生の第4楽章と医療」と題した特別講演を実施。本学保健医療学部の学生をはじめ、多くの一般市民の方が参加されました。
講演にあたり、本学の保健医療学部看護学科・学部長の守本とも子が挨拶。半世紀以上にわたり、医学の教育・研究・診察現場に携わってこられた吉田先生のご経歴を紹介しました。
吉田先生は、最初にさまざまなデータを紹介しながら日本の超高齢社会の現状を説明。少子高齢化が進む中、認知症の増加や医療費の増大など、さまざまな問題を指摘しました。一方で地域包括ケアシステムの構築に向け、在宅医療のニーズがますます高まっていることを示唆。今後在宅ケアでは、医師に代わって往診も行う"特定看護師"の活躍が期待されていると語りました。
第一楽章に始まり、第四楽章に終わる人生。それぞれが第四楽章を演じきるには、The quality of deathの観点からも終末期医療の充実が重要であると指摘しました。また「死」とどのように向き合っていけばいいかを、高名な方々の言葉や壮大な宇宙の話を紹介しながら解説。超高齢社会を前向きに生きる、さまざまなヒントを示唆しました。
最後に吉田先生は、将来医療現場で活躍する学生達にもアドバイス。「医療というのは サイエンス、アート(主義)、そしてヒューマニティ(こころ)が基本です。人生経験豊かな高齢者の方々をケアするには、看護する皆さん自身が日頃から人間力を高める努力をしていって欲しい」と語りかけました。