「超高齢社会における生活支援に向けた地域産業創出を考える研究会」第3回講演会が開催されました
奈良県社会福祉総合センターにおいて、1月20日(水)、公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構主催、奈良学園大学保健医療学部共催による本年度第3回目の講演会「超高齢社会における生活支援に向けた地域産業創出を考える研究会」が開催されました。
同研究会は、高齢者の健康長寿支援活動や介護・看護・リハビリ支援などの現場の声(ニーズ)と大学や研究機関などの研究開発(シーズ)状況を知ることで、「超高齢社会」に向けての新産業の芽が生まれるマッチング機会を設定し、そこから生まれる芽の育成支援を目的に開催されるものです。
今回は、基調講演に一般財団法人南都経済研究所上席主任研究員で中小企業診断士でもある橋本公秀氏をお招きし、超高齢社会を迎えた奈良県の介護保険事業の観点から奈良県の超高齢社会の実態と課題についてご講演いただきました。ニーズ紹介・シーズ紹介では、奈良県の老人福祉施設の現状と課題をテーマに、それぞれのお立場から貴重なお話を伺いました。
講演会は、公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構を代表して常任理事の瀬渡比呂志の挨拶で始まり、続いて橋本公秀上席主任研究員が「奈良県の超高齢社会の実態と課題について」と題した特別講演を行いました。講演では、超高齢化社会に突入している日本の課題などを具体的に説明。さらに、そうした中、他の地域とは異なる高齢化事情が見られる奈良県の現状などについて実例を元に解説されました。
ニーズ紹介では、奈良県老人福祉施設協議会会長であり、また社会福祉法人宝山寺福祉事業団理事長でもある辻村泰範氏が登壇。それぞれの団体の活動内容から始まり、奈良県老人福祉施設協議会の会員に対して、日常業務遂行時にどんなことに気を遣っているか、負担の大きな日常業務は何かなどのアンケート結果を踏まえて、現在における老人福祉施設の運営と課題について言及されました。
シーズ紹介では奈良県産業振興総合センター生活・産業技術研究部のリビングサイエンス先導的研究グループ総括研究員の林達郎氏とライフマテリアルグループ総括研究員の澤島秀成氏が講演されました。林達郎氏は、同センターにおける「衣」「職」「住」、それぞれの分野における開発の現状を解説。それを受ける形で澤島秀成氏は、デザイン担当の立場から具体的な開発過程と製品を元に、本当に高齢者に必要な機器や道具などの開発のヒントなどについて説明されました。
最後に事務局から平成28・29年度の計画について説明が行われました。その後、奈良学園大学保健医療学部学部長の守本とも子教授が閉会の挨拶で、約3時間半にわたる研究会を終えました。会場では、参加者方々は講演を熱心に聞き、また質問の声も上がるなど、高齢者向けの新製品への関心の深さが伺えました。また、ビジネス創出の場らしく、相互に情報交換も行われる光景も見られました。
「高齢社会研究会」は奈良学園大学保健医療学部が共催しており、次年度6月には奈良学園大学登美ヶ丘キャンパスにおいて第4回目の講演会を予定しております。