奈良県大学人権教育研究協議会講演会「子どもの死生観といのちの教育」を開催しました
2月20日(土)、奈良県大学人権教育研究協議会の講演会を本学で開催しました。今回は関西学院大学教育学部教授の五百住満氏を講師にお迎えし、「子どもの死生観といのちの教育」と題して講演。近年、多発化する子どもの『いのち』をめぐる事件を問題視し、子どもの人権を通して『いのち』に対する関心や理解を深めようと希求しました。今回は、現代の子どもが事件を起こすのは、身近に死を感じる環境が無いことが大きいのではないかということから、全国でも30校ほどしかない夜間中学校の一つである尼崎市立成良中学校教諭の桜井克典氏をゲストに迎えて、『中国残留孤児』について話をしていただきました。
講演に先立って西口副学長が挨拶。子どもの人権を通して、『いのち』の教育を行うことの重要さを説き、大学は、その実行についてどのように関わっていけばいいのかを一緒に考えていきたいと語りました。
五百住教授は、冒頭で近年、子どもが起こしたさまざまな事件に触れ、また、いのちの教育研究会が行った『生きることや死ぬことについて』のアンケート結果から、身近にリアルな『死』を感じる環境が無いため『いのち』の大切さに気付かなくなっているのだと推測。死の普遍性や死の絶対性を受け入れるためには、子どもの死生観が生まれる時期の教育の大切さを訴えました。そして、実際にいのちの教育を行っている一例として、桜井先生が教えている生徒で中国残留孤児だった生徒さんの体験について語ってもらいました。それを受けて五百住教授は、そのような実体験を直接に聞くことで、小学生から大学生まで、いのちの大切さを感じた話をされました。そして最後に、「日常生活のすべての場面で、身近なことについて人権の視点から『いのちの大切さ』を見つめ直し、感性を高め、行動につながるように」と訴えて講演会は無事、終了しました。