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奈良学園大学公開講座「第2回登美ヶ丘カレッジ~子どもの声に耳を傾ける時間~」を開催しました

『子どもの声に耳を傾ける時間~子どもの世界観を分かち合うために~』をテーマに、今年度2回目の「登美ヶ丘カレッジ」を開催しました。講師は、心療内科医であり本学保健医療学部の中川晶教授と、助産師であり本学保健医療学部の岡いくよ助教の二人で、対談形式で行いました。

講演では、講師の二人が各立場での経験談を紹介し、子どもには子どもなりの世界観があり、その子の話を聞くことの大切さと、聞くためのスキルを身に付けることが重要との話が展開しました。そして、話を聞くコツが伝授されました。

まず、子どもの世界観について、とある子がケーキを選ぶ際の行動を紹介。大人の視点から見れば、種類が同じならショーケースの中のケーキは全て同じと判断するが、その子にとっては自分が選んだ"この"ケーキが欲しいのであって、選んだケーキ以外は違うという世界観があることが伝えられました。

また、電車の中で、赤ちゃんが大声で泣き出すや否や赤ちゃんの口にお菓子を入れて泣き止ませようとする母親を見かけたことを例に、この行為は赤ちゃんとってストレスをためるものではないかという意見が出されました。赤ちゃんを泣き止ますために泣くなり即お菓子やミルクなどをあげる行為は、会話に例えるなら相手の話を聞いていないのと同じと指摘。赤ちゃんや子どもに限らず大人も同様に、「会話には"間"が大事」との意見でまとまりました。

次に、相手の話や世界観を知るためには、相手の持つ物語を聞き出すことが大切で、聞き出すためのコツとして、中川教授が4タイプの質問の種類と特徴を紹介しました。

続いて、人格についての話になりました。心理学上では、人格という表現は18歳以上に適応されると紹介。理由は18歳までは性格が定まらないためとのこと。この性格とは育て方によって変わってくる部分であり、生まれつき持っていて変化しない部分の気質と足せば、人格となると紹介しました。

そして、育児方法に絡めて、気質に合わせてどう育てるのかがポイントと話しました。例えば、敏感すぎる子に怒りすぎると萎縮する場合があり、逆にやんちゃな子にはきつくしないと懲りないと話しました。最後に、何か問題があったときには、早く解決しようと焦らず質問を投げかけ、質問を続けることで相手の心を動かすことが大事だと話して締めくくりました。

参加者から「普段聞けない話が聞けてとてもよかったです。育児に生かしていきたいと思います」「子どもを連れて参加できたので、うれしかったです。心理学に興味があるので、今の研究内容や取り組みのお話が聞けてよかったです」などの感想が聞かれました。

多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。