12/11 奈良学園大学登美ヶ丘カレッジ第5回「私たちの身近にある性暴力」を開催しました
12月11日(土)、地域の方々に参加していただいて、「奈良学園大学登美ヶ丘カレッジ第5回」を開催しました。
今回は「私たちの身近にある性暴力~性暴力のない社会を目指して、性暴力被害の理解と支援~」をテーマに、メンタルヘルスの専門家でもある、本学保健医療学部看護学科の服部律子教授による講演を行いました。
服部教授は助産師でもあり、親になるということの研究から性に関することの支援が若者に必要だと感じ、SANE(性暴力被害者支援看護職)として性暴力被害者支援センターでの支援活動に携わっています。
性暴力被害者支援センターでは、医療、心理ケアカウンセラーとの連携、警察への連絡、加害者を告訴する場合の弁護士の手配など、被害直後から総合的な支援を可能な限り1か所で提供することで、被害者の心身の負担を軽減し、その健康回復を図ることを目的としています。
この性暴力被害者支援センターは各都道府県に設置されていて、もちろん、奈良県(https://www.pref.nara.jp/50858.htm)にも設置されています。
性暴力は意外にも、顔見知りなど、身近な人物から受けるケースが多く、被害にあった場合、誰にも相談しなかったケースが半数以上とのことで、こういった統計にあらわれていない被害も、まだまだ多くあると推測されます。また、男性の被害もあるとのことです。
性犯罪は「魂の殺人」とも言われ、性暴力被害者支援センターには、10年前、20年前の被害を相談されることもあるそうです。
質疑応答では、震災などの災害時の性被害にどう対処すればよいかという質問があり、服部教授からは、子供も含めて、トイレに行くときなどに一人で行かないようにし、常に信頼できる人と複数で行動することが大切ですとアドバイスがありました。
最後に、性被害にあうのは被害者の責任では無く、「被害者は、逃げたくても逃げられない」という状況の理解と、性暴力被害者支援センター #8891 や、性犯罪被害相談電話 #8103 (ハートさん)の存在などを広めていただき、地域の方々で話し合って、性犯罪を未然に防ぐ機会を増やして欲しいとの話がありました。