人間教育
学科-
- 准教授
- ハヤシ ユウコ 林 悠子
プロフィールを教えてください
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人間教育学部乳幼児教育専修の林悠子です。奈良女子大学、奈良女子大学大学院を修了し、ご縁があって本学の前身の一つでもある奈良文化女子短期大学(奈良学園大学奈良文化女子短期大学部)幼児教育学科を経て、2018年から本学に勤めています。滋賀県の出身なのですが、もう奈良に住んでいる年数の方が長くなりました。が、いまだに奈良の暑さには慣れません。我が物顔で道路を歩いている鹿にはもう慣れました。
大学は文学部だったのですが、「スポーツ科学専攻」というコースに所属していたため、2年生から専門科目に分かれ、体育実技や実験実習などの演習科目とともに、体育史、体育哲学、体育科教育学、スポーツ法学、運動生理学、バイオメカニクス、身体表現学、精神生理学、スポーツ(体育)心理学などたくさんの専門分科学を学びました。おもしろいところでは、人体の構造を学ぶため奈良医大で解剖実習も見学しました。そのうち特にスポーツ心理学と身体表現学に興味を持ち、大学院に進み、今に至ります。
どんな研究をされているのですか?
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スポーツ心理学というと、一般的に「スポーツ選手が勝利したり競技成績を上げたりするために行うメンタルトレーニング」や「スランプに陥ったときに行う対処法」などのイメージがあるかもしません。実際に、何をする学問か?と聞かれたときに「メントレ(メンタルトレーニング)とか・・」というとそれだけでなんとなく通じるところもあります。
スポーツ心理学にも様々な領域がありますが、私は運動イメージに興味を持っています。人は何か行動を起こすときに頭の中でイメージをします。今これを読んでくださっているあなたは「この人はどんな人だろう」とイメージを浮かべているかもしれません。イメージは実体験ではありませんが、強くイメージをすることで行動を変えたり、心理状態を整えることもできます。逆に、悪いイメージに捉われて失敗したりすることもあります。それはスポーツ選手だけではなく、誰でも、どのような場面でも起こり得ます。運動イメージがどのように生成され、どのように変化していくのか。また、それによって心理状態やパフォーマンスがどのような影響を受けるのかということを研究しています。特に、スポーツ選手ではなく、私自身がそうなのもありどちらかというと運動が苦手な人の運動イメージに注目しています。
また、幼児教育の分野においては、運動と発育発達、運動あそびや身体表現あそびの実践とそれによる意識変容などを研究しています。スポーツ心理学も幼児教育も、いずれも「身体とこころ」に対する興味が根底にあるのだと思います。
今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください
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「体育」はさほど得意ではなかったけれどスポーツは好きで、観るのも好きでした。また、もともと心理学を学びたかったこともあり、スポーツと心理学が結びつきました。
大学時代のゼミの先生は精神生理学や身体表現学を専門とされ、実験をして卒論を書くことが決まっていました。テーマを探す中でイメージトレーニングや運動イメージを知り、何かの動作をイメージするときに、「自分自身がその動作をしているイメージ(一人称イメージ)」をする人と、「自分がその動作をしているところを俯瞰的に見ているイメージ(三人称イメージ)」をする人がいることがわかり、人によってイメージの視点が違うのが面白いと思ったことがきっかけです。イメージを描くことが上手な人やそうでない人、大人と子どもとの違い、スポーツ種目の違いなど、様々な要因が絡みますが、本来は人の頭の中は見えないもの。ですが、最先端の研究では人工知能(AI)を利用して脳内イメージを映像化することに成功したそうで、イメージの世界は奥深いとますます感じています。
担当している授業の中の1つを紹介してください
- 「子どもと表現(体育)」
「子どもと表現(体育)」はどんな授業ですか?
- 乳幼児教育専修の必修科目で、幼児教育の領域「表現」に関する身体表現と、運動あそびを教えています。いまの子どもたちは少子化によって遊ぶ仲間がいなかったり、またいてもうまく関わることができなかったり、運動することが苦手であったり、体力が低下していたり、といった様々な問題点が指摘されています。この授業では、人の発育発達を踏まえながら、乳幼児期に運動あそびや表現あそびを行うことの意義や目的についての理論を学び、実際のやり方や注意点などを解説しながら実践を行っています。学生たちは、昔自分たちがしていた遊びの意味を再認識することで学びを深めています。また、単純に身体を動かすことに楽しさを見出してくれています。身体を動かすことは面倒なことではなく楽しいことだと知って保育現場に立ってもらいたいと思っています。
趣味や特技など好きな休日の過ごし方などを教えてください
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演劇、歌舞伎、バレエ、コンテンポラリーダンス、音楽、フィギュアスケートなど、プロ(に限らず)の身体表現を鑑賞することが大好きです。ファンである特定の役者さんや団体やスケーターだけではなく、ポスターなどを見てピンと来たらよく知らないジャンルのものも観に行きます。好きなはずのジャンルがはまらない場合もあります。まさにステージはライブ「生もの」だなあと思い、何か観るとまた次も観たくなる、無限ループです。
「推しは推せるうちに推せ」とはまさに金言、いつでもどこへでも観に行けるように私もお金と健康を保ちたいと思います。