人間教育
学科-
- 准教授
- カギモト ユリ 鍵本 有理
プロフィールを教えてください
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北が山、南は海、線路は東西に平行……という神戸市で育ちました。
大阪の大学・大学院を経て、定職に就くまで4年ほどフリーターでした(いろいろな大学で非常勤講師をしていました)。
その後、奈良工業高等専門学校(高校~大学に相当する5年制の学校です)に長年勤務していましたが、定年前に本学に勤めることになりました。
転職を機に、奈良市内に引っ越し、猫も1匹ついてきました。養老孟司先生(解剖学者。飼い猫の「まる」が有名)のように猫の横で平和に研究活動ができればと思っています。
どんな研究をされているのですか?
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ことばについて、特に「文法史」という、古い言葉を対象にした文法の問題を考えています。
たとえば、現代語の「太郎が好きな花子」は、「太郎が花子を好き」という場合だけでなく、「太郎のことが好きな花子(花子が太郎を好き)」という解釈も可能です。
このような例は『万葉集』にもあり、「思はぬ我」(「あなたのことを思わない私」か「あなたが思ってくれない私」か)、「逢はぬ妹」(「私が会うことのない妹(=恋人)」【「私」が主体】か「私に会ってくれない妹」【妹が主体】なのか)のように、解釈に迷うものがあります。
また、助詞の問題。「母( )別れて」の空欄に何が入るでしょうか。現代語なら「と」や「に」でしょうが、『万葉集』では「母を別れて」という例があります。
そして、古典文学の本はもともとすべて「写本」(手書きで写されたもの)で、当然写し間違いなどもあり、皆さんが読んでいる古典の本文が実は原本とは違ったものである可能性もあるのです。そのような古典の本文についても、『万葉集』を中心に研究しています。
今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください
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以前、先生仲間と雑談していたときのある先生の一言。
「えーっ、結局皆さん、中学校の頃に興味を持った分野に進んでいるのですね!」
15歳前後の時期に関心のあった事柄というのは、何らかの形でその後の人生に影響を与えるように思います。
私の場合は、中学校の国語の先生が少し風変わりで、様々な本をよく紹介してくださっていました。その中で本居春庭(『古事記伝』で知られる本居宣長の息子で、30歳ごろに失明したが、文法研究を続け、動詞の活用の規則を発見した人。「四段の活」「下二段の活」などは、今の「四段活用」「下二段活用」の名称のもとですね)のことを書いた本の話をされ、それが影響してこんな道に進むことに……。
担当している授業の中の1つを紹介してください
- 国語学Ⅱ
国語学Ⅱはどんな授業ですか?
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いわば「日本語史」(日本語の歴史)の授業です。
当たり前のことですが、ことばは時代とともに変化しています。とはいえ、昔も今も変わらず使っているものもあります。たとえば「目」や「手」。基本的なものはこのように一音の語で、「足」も昔は「あ」だけで通じました。奈良の名物(?)「鹿(しか)」も、もともとは「か」でもよく、その名残が「鹿(か)の子模様」(小鹿の白い斑点のような模様のこと)。
けれども、それでは不便なこともあり、だんだん言葉が複雑になりました。文章も、昔は主語もなく、感覚的に表現されることが多かったのですが(だから古典は読みにくい……)、時代が下るにつれ、論理的に「何が、何を、どうした」などをはっきりと述べる表現に変わってきています。
そのような日本語の変化を、様々な例を挙げながら学びます。
趣味や特技など好きな休日の過ごし方などを教えてください
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《猫の額ほどの庭の手入れと猫の世話》
子供の頃から団地の上層階住まいでした。現在住んでいる家を探すとき、「人生のうち一度ぐらいは『地に足のついた』生活がしたい」と、狭いながらも庭付きに。草刈りなども必要ですが、季節毎に庭に植える植物をホームセンターで選ぶのが楽しみです。
動物も飼うのも初めてですが(もともと犬派で柴犬が大好き。団地では飼えないので、たまによその犬を触らせてもらっていた)、猫は大体3歳くらいの知能はあるそうで、人間と一緒で、猫の気持ちを考えつつ、けがなどはしないように注意をしながら世話しています。