人間教育
学科-
- 准教授
- カワバタ サキコ 川端 咲子
プロフィールを教えてください
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京都生まれ、京都育ちです。ただし、洛外、京都の端っこです。自然の多いところで育ったので、都会は少し苦手です。
公立の小中高を経て、大阪の大学・大学院に進学しました。大学では文学部国文学科国文学専攻の教室で近世文学について学びました。
奈良学園大学に来るまでは、いくつかの大学での非常勤講師と、神戸女子大学古典邸能研究センターというところでの非常勤研究員をしていました。
どんな研究をされているのですか?
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近世文学の中でも、特に近世演劇―人形浄瑠璃や歌舞伎―についての研究を主にしています。
人形浄瑠璃(文楽)も歌舞伎も現在にまで残っている古典芸能ですが、誕生したのは近世(江戸時代)です。その頃にはどのような形で上演されていたのか、どのような作品があったのか、どのような人たちが演じ、どのような人たちが観ていたのかをいろいろな資料を使って明らかにしていく研究をしています。特に京都の演劇界に興味の中心はあります。
また、近世には、教科書などには全く載っていないような文学作品がいろいろとあります。これらについても、近世演劇との影響関係という視点から、研究しています。
今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください
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中学生の時にテレビで観た歌舞伎がすべての始まりです。是までに観たことのないような世界に魅了され、実際の舞台を観に連れて行ってもらいました。
関西に住んでいると、なかなか舞台を観ることができないため、かわりに『名作歌舞伎全集』や『演劇界』という雑誌を愛読していました。
大学進学を考えるようになった頃、近松門左衛門の浄瑠璃・歌舞伎を集めた『近松全集』の刊行が始まりました。浄瑠璃などを勉強したいのならば、大阪の大学に『近松全集』に関わっている先生がいらっしゃるということを知り、そこへ進学しました。大学では、近松門左衛門以前の古浄瑠璃と呼ばれる浄瑠璃の存在を知り、それについて研究をはじめました。
担当している授業の中の1つを紹介してください
- 語学・文学総合演習Ⅱ(国文学)
語学・文学総合演習Ⅱ(国文学)はどんな授業ですか?
- 2年生の前期までは、日本の古典文学にはどのようなものがあるのかを中心に授業をします。その中で2年生の前期の国文学Ⅱでは、古典文学作品を一つ選んでそれを紹介するということを各自でしてもらいます。これらをふまえて、2年生後期の総合演習では、古典文学を自力で読んで、それを発表するという授業を行います。扱う作品は、近世文学から選んでいます。一昨年からは仮名草子『百物語』を取り上げています。これは、ショートショートのような短い話(大半が笑い話)がたくさん入っていますので、各自一話担当して、言葉を調べ、現代語訳をし、その物語の面白いところや教訓となることなどを見つけて発表します。辞書を引くなど、普段しないことをしなければならないので、大変なところもありますが、一人で一つの話を読み解いたという達成感も得られる授業です。
趣味や特技など好きな休日の過ごし方などを教えてください
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観劇が最大の趣味だろうと思います。能・狂言・文楽・歌舞伎などの古典芸能はもちろん、現代劇やミュージカルも観に行きます。ここ数年はできていないのですが、古典芸能を観に行く時には着物を着ていくというのがこだわりでした。そろそろ復活しようかなと思っています。
そのほかでは、展覧会にかなりよく行っています。若い頃には、東京へ行って1日に3つほどの展覧会をはしごしたこともありました。こちらも特定の分野だけではなく、いろいろな展示を見に行っています。ただし現代美術だけは少し苦手です。
特技というほどではありませんが、大学生の頃からごく最近まで生け花を習っていました。花を見ること、花の写真を撮ること、花を生けることは好きです。