人間教育
学科-
- 講師
- タナカ ノリコ 田中 紀子
プロフィールを教えてください
- 本学の教員になる前は、島根県の県立高校の教員や愛知県の県立高校の教員をしていました。10年余り、スーパーサイエンスハイスクール事業(SSH事業)に関わり、生徒の発展的な探究活動や創造的な取組の指導助言・支援等もしていました。奈良学園大学では、中高の数学科教員を目指す学生に数学科教育法や教育実習事前事後指導、教職実践演習等を教えています。学生には、数学の楽しみを子どもたちに伝えられるような教師になってほしいと願っています。
どんな研究をされているのですか?
- 研究分野は、数学教育と数学史、数学教育史です。数学教育に関する分野では、おもに理数探究などの数理科学分野における探究型の学びについて、中学校・高等学校を中心に研究しています。また、数学史では、和算(宅間流:江戸時代に関西で興った流派)や確率論史(ポール・レビィほか)について、数学教育史では第二次世界大戦の戦中戦後に3年間ほど日本に存在した科学技術教育に特化した特別科学教育学級(科学組)について調査・研究しています。
今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください
- 数学教育に関わる研究に興味をもつようになったのは、高校生の数学部の生徒の探究活動(多面体にのりしろをどのようにつけるとよいか)に関わったことがきっかけです。とても面白い探究をする生徒たちに出会い、それから探究型の学びの意義を感じています。数学教育史の特別科学教育学級は、科学技術教育であるスーパーサイエンスハイスクール事業に関わったことがきっかけで、日本において歴史的にさかのぼると特別科学教育学級があったことが分かり、あまり知られていない教育でしたので、調査をするようになりました。宅間流の和算や確率論史は、それらに出会う機会があり、引き続き興味をもって本を読み進めたり発表したりしています。
担当している授業の中の1つを紹介してください
- 数学科教育法
数学科教育法はどんな授業ですか?
- 数学科教育法はⅠからⅣまであり、中学校と高等学校の学習指導要領解説(数学)を主な教科書として、数学の教え方について学ぶ教科です。高等学校まで、皆さんは主に教科書を通して数学を学んできたわけですが、数学科教育法では、「数学を教える立場として教科書を捉える」ことをします。どのように教えると子どもが理解しやすいか、どのように教えると探究型の学習になるのかなど、授業でもICT等も用いながら体験的に学修します。数学科指導案をかいたり模擬授業を行ったりもして、教師になるための様々なスキルを身につけます。子どもたちが数学の楽しみを見出すことのできるような授業を構築できる先生になってほしいものです。