研究室訪問

  • 人間教育
    学科

    • 教授
    • オカムラ トシミツ 岡村 季光
  • 乳幼児教育専修 教授 岡村 季光(オカムラ トシミツ)

プロフィールを教えてください

  • 大学院修了後、幼児教育・保育系の専門学校で勤めていました。その後、大学改組により奈良学園大学が誕生する時に、オープニングスタッフとして入職し、現在に至ります。今は主に、保育士資格・幼稚園/小学校/中学校/高等学校教員免許取得のために必要な心理学関連授業を担当しています。本学は誕生から2024年で11年目を迎えていますが、世代交代も進んだせいもあって、オープニングスタッフから今に至るまで勤め続けている先生は数少なくなってきています。その意味では、第1期生が入学してからの歴史を知る、ある意味「レア」な人物の1人です。

どんな研究をされているのですか?

  • 心理学の中でも、特に発達心理学や教育心理学という分野の心理学を専攻しています。心理学は、人の心を科学的に研究する学問です。そのため、研究を行う上において欠かせないのは、心が反映されていると考えられている人の各種行動からデータを取得し、それを分析することが必要となります。自分自身はこれまで、主に大学生を対象としたアンケート調査研究を行ってきました。具体的には、アンケートに回答した内容を数値化し、それを多変量解析と言われる手法を用いて分析を行い、人の心のメカニズムを明らかにすることを目指しています。
    研究テーマは、一貫して「居場所」というキーワードに関心があり、研究を続けています。
    また、居場所と青年期の発達がどのように関連しているのかにも関心があります。例えば、対人関係や適応問題(暮らしていく中で葛藤や不安を体験することなく生活すること)などが青年期の自分の居場所とどのように関係しているかについても研究してきました。
    詳細は、以前取材を受けた際に、以下URLリンクでまとめていただきました。もしよければご覧いただければと思います。
    https://exidea.co.jp/so-gud/life/naragakuen-u/

今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください

  • 私の高校生の時は『それいけ!!ココロジー』というTV番組が放送されるなど、当時は心理テスト(今から思うと心理ゲームのようなもの)が流行していた時代でした。それで、せっかく大学に行くなら楽しく学べる勉強がしたいという、ある意味ミーハーな気持ちで進路を決めたのが、そもそものきっかけです。いざ大学に入学すると、アカデミックな心理学と自分の意識の落差に当初打ちひしがれてしまうのですが…。ただ、当時通っていた大学にはすばらしい先生がたくさんおられ、アカデミックな心理学の魅力にひかれたのは事実です。
    前述の「居場所」をテーマに研究をしようと考えたのは、1つは当時不登校児童生徒の存在が注目されるようになったこと、それともう1つは大学生当時に放送が始まった『新世紀エヴァンゲリオン』がきっかけです。不登校児童生徒の心情と登場人物の心理描写の両者に、“居場所のなさの感覚”という共通項を見いだし、それを何とか研究テーマにできないかと考えたのが始まりです。
    心理学を研究される方の中には、自身の抱える課題が研究のきっかけになったと答えられる人が少なくありません。それだけ、心理学は自分という存在について、密接に関わりのある学問だと思います。今から振り返ると、青年期特有の“自己存在感のゆらぎ”が自身の中にあったのが大きかったのかもしれません。

担当している授業の中の1つを紹介してください

  • 発達・教育心理学

発達・教育心理学はどんな授業ですか?

  • 発達心理学や教育心理学という分野の心理学について学習するという授業です。この授業は、教員免許を取得するための必須科目という位置づけなので、人間教育学部の学生は全員履修をしなければなりません。それは、教員になるためには、心理学の視点から教育のことを考えることが強く求められているからです。
    授業の具体的な内容は、子どもの育ちや学びに関する内容です。例えば、子どもの言葉を話す段階から文字の読み書きに至るまでの過程を学んだり、子どもの道徳判断や対人関係がどう変わってくるのかを学んだりします。また、学びのメカニズムとして、人の記憶能力や情報処理能力、いわゆる“やる気”などの仕組みについて学んでいきます。

趣味や特技など好きな休日の過ごし方などを教えてください