人間教育
学科-
- 准教授
- ヤマダ アキヒロ 山田 明広
プロフィールを教えてください
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人間教育学科中等国語専修准教授の山田明広です。この大学では主に「漢文」関連の科目を担当しています。また、中国語圏の国や地域との交流にも力を入れています。
出身は四国の徳島県です。高校では理数科に在籍していましたが、物理が苦手だったこともあり、大学では商学部に入学しました。しかし、途中から中国の宗教である「道教」について専門的に学んでみたいという思いに駆られ、文学部へと転部しました。そして、大学卒業後は文学系の大学院へと進学して本格的に道教の研究を開始し、博士後期課程ではさらに台湾の道教の儀式を調査するため台湾で2年半留学もし、こうして道教研究により博士号を取得しました。
博士号を取得して以降は、大学の研究員や大学の非常勤講師をしていましたが、2016年9月にこの大学に採用され、それ以降、この大学にて教鞭を執っています。
どんな研究をされているのですか?
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中国発祥の宗教である「道教」、その中でも特に「儀式」について研究しています。
道教の儀式というとピンとこない人も多いと思いますので、極々簡単に言うと、昔流行ったキョンシー映画の中でキョンシーを退治していた道士が使っていた術、これが厳密には少し違いますが、概ね道教の儀式に近いものになります。
道教の儀式の歴史は古く、およそ後漢末頃(200年前後)までさかのぼることができ、また、現在でも中国や台湾といった中華圏において行われています。私は道教研究を開始した当初はもっぱら中国古典語(漢文)で書かれた文献の読解により古い時代の道教の儀式について研究していましたが、2003年8月から2年半台湾で留学して以降は、主に現代の台湾で見られる道教の儀式について、中国古典語や現代中国語で書かれた文献の読解と現地調査とを組み合わせた方法により研究しています。
また、台湾で留学していた際には、道教の儀式だけでなく、現地の信仰や習慣・風習なども多く目にしましたので、台湾留学以降は、台湾の信仰や習慣・風習などについても研究しています。
今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください
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私が道教の儀式を研究するようになったきっかけですが、大きく2つあります。
まず、私は、幼い頃からそもそも中国的なものと東洋の宗教的なものに興味があり、そして、小学生の頃にこれら2つがちょうど合わさったキョンシー映画を目にして、その中で登場する道士が使う呪術的な術に非常に興味を持ちました。また、同じころ、別のドキュメンタリー番組を見て、キョンシー映画に登場する道士は「道教」の修行者であり、中国に道教という宗教と道士が実際に存在するということを知り、この道士の術をいつか目の前で見てみたい、どういう意味があるのか知りたいと思うようになりました。これが道教の儀式を研究するようになったきっかけの第一です。
次に、私は、小学校以降もずっと道教に対して興味をもちながらも、高校は理数科所属で、しかも、英語と数学の成績が比較的良かったため、大学では文学部に進学して道教について学ぼうとは考えず、最初は理学部に進学して物理天文学の研究者になろうと、後に物理が苦手だと分かると数学が生かせる経済系の学部へと進学し研究者になろうと考えていました。最終的に第二志望であった東京の私立大学の商学部に進学し、その大学はマスコミ就職で定評があったので、マスコミ就職を目指そうとしていました。しかし、その大学の文学部には、当時、道教を研究されている先生が3名もおられ、そのことを知ると、この先生方の下で道教を学びたい、将来は道教の研究者となりたいという思いが沸々と沸き上がって居ても立ってもいられなくなり、思い切って文学部へと転部しました。これが道教の儀式を研究するようになったきっかけの第二です。
その後、大学院では、現在の道教の儀式の研究が可能な他大学の大学院に進学し、博士後期課程では台湾に留学して道士の術を含む道教の儀式について現地調査を行い、そのおかげで博士号を取得することができ、現在こうして道教の儀式の研究者をしています。
担当している授業の中の1つを紹介してください
- 漢文学特論
漢文学特論はどんな授業ですか?
- 漢文を送り仮名無しで、さらには返り点すら無い白文で読めるようになることを目指す授業です。授業では、科挙や中国的な仏教思想、古文復興運動に関するものなど昔の中国の歴史や思想・文学などについて知ることができる漢文の文章のほか、幽霊や妖怪、さらにはキョンシーなどが登場する不思議なお話について記した漢文の文章等を、徐々に送り仮名や返り点を減らしつつ漢和辞書を頼りに読んでいます。また、文章内容と関連のある事項についても適宜。講義をしています。
趣味や特技など好きな休日の過ごし方などを教えてください
- 趣味は、模型とクワガタの飼育で、クワガタの飼育については、毎年、ミヤマクワガタとノコギリクワガタをブリーディングしています。特技は器械体操とトランポリンですが、今は年齢のせいもありあまりできなくなってきました。それでもトランポリンがありさえすればまだまだ宙返りをすることは可能です。趣味・特技はこのようにいろいろとあるのですが、今は休日でも子育てと研究に追われ、正直、あまりできていません。もう少し趣味や特技に時間を費やせるような休日を過ごせるのが理想です。