看護
学科-
- 准教授
- コバヤシ ユリ 小林 由里
プロフィールを教えてください
- 現在、基礎看護学という科目を担当しています。基礎看護学は、入学後一番初めに看護の専門的な知識や技術を学ぶ科目です。外科・小児科・内科、神経内科などで看護師や看護師長として臨床看護を経験しました。また、看護専門学校での教員を得て、現在に至ります。たくさんの患者さんや同僚、学生の皆さんとの関わりによる様々な体験は、忘れられない私の宝ものです。今も「看護師になって良かったな」と思っています。
どんな研究をされているのですか?
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研究分野は、看護師教育に関することや、エンドオブライフケアに関することです。
看護師さんは、経験を重ねると、直観のような言葉に表せない感覚で、患者さんの状態の変化を察知する能力を持っています。そこで、現在は、看護師さんが人生最終段階にある患者さんのその人らしさを尊重したケア(エンドオブライフケア)のために、どのような経験知をもとに患者さんの状態を判断しているかについて研究しています。
今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください
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私は、臨床で勤務していた時、がんなどの患者さんが、人生の最終段階を迎えるという場面に何度も立ち合いました。その患者さんの大切な場面で、自分は患者さんや家族が望む最後が迎えられるよう、それまでの日々を安寧に過ごせるためのケアが十分できていただろうか、といつも考えてきました。
さらにがん以外の呼吸器系の病気や難病などでは予後を予測できずに、あっという間に最後を迎えてしまう患者さんもおられました。その方々の残された日々を予測でき、その人らしく過ごしていただけるようにするためのケアを行うには、どうすればよいか、と考えたことがきっかけです。
担当している授業の中の1つを紹介してください
- 看護技術の基礎Ⅱ
看護技術の基礎Ⅱはどんな授業ですか?
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点滴静脈内注射や、静脈内採血など、看護の対象が治療を受けるために必要な診療の補助にかかわる看護技術を学ぶ演習科目です。看護技術って何だろう、看護師の役割って何だろうということを、ただ、授業を聞いて理解するだけではなく、自分で考え、シミュレーターなどを用いて体験しながらまた深く考え学んでいきます。「手順」を学ぶことより大切にしていることは、治療を受けながらも患者さんは、「生活する一人の人」として捉えることです。食事やトイレなど、治療を受けながら、安全で安楽にかつできるだけ自分で生活できるためのケアについて考えます。
看護の対象の目線に立って考えることができる誠実さを大切に、自分で考え、行動できる看護職になるために、常に様々な事に感心や疑問をもち、探求心を持って取り組めるような課題学習やグループワークなどを取り入れた授業です。
趣味や特技など好きな休日の過ごし方などを教えてください
- 奈良は歴史の古い場所であり、看護師時代に患者さんの影響で仏像に出会ったことから、お寺巡りをするのが好きになりました。屏風や襖絵を見るのも好きです。心が落ち着きます。また、年に数回ですが、釣り仲間のお誘いがあると、釣りに行きます。「絶対釣るぞー」と意気込むと釣れませんが、竿を眺めて無になっていると、心が落ち着きます。