看護
学科-
- 講師
- ヤマモト マキコ 山本 真樹子
プロフィールを教えてください
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私もこの大学の助産師課程の学生さんと同じく、大学の4年間の中で助産師教育を受けました。卒業後の就職先は総合病院で、助産師として6年間働きました。
1か月健診が終了した後の母子のその後の生活や育児の様子が知りたくて、1年間、保健センターで乳幼児健診のバイトをしました。そして、病院にいた時から関心のあった出産時の女性の心理を学ぶため、大学院に行きました。大学院を卒業後、4年生大学での助産師教育に携わるようになりましたが、教育を学びたい思いから教育分野の大学院に行きました。いろんな職種の専門家が集まる大学院だったこともあり、助産師としてのアイデンティティを見つめ直す機会となり、もう一度、総合病院で働くことにしました。助産師は本来女性の一生に関わる専門家と考えていたので、あえて産科だけでなく、婦人科や他科の患者さんもおられる混合病棟で働ける病院を選びました。そして、病院の現場で新人教育や看護学生さんや助産師学生さんの実習に関わる中で、改めて教育の大切さを感じたこともあって、もう一度教育現場に戻ることを決め、今ここで教員として働いています。
どんな研究をされているのですか?
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病院で勤務していた時は、助産師として何ができるかを仲間と一緒に探究し、調査した結果を病院でのケアやサポートに還元できるような研究をしていました。代表的な1つは、まだ生まれてくるには時期が早いけれど、安静や薬を使って早い出産にならないように入院しておられる女性へのケアを考えるため、多職種と先輩助産師が考案した安静が必要な女性でもできる体操を実施し、その効果、特に心理面への効果を調査しました。また、「妊娠糖尿病」と診断された女性が安心して出産や育児に向かうためには、どのような助産師のケアやサポートが必要かを知るための調査をしたり、メンタルヘルスケアが特に必要な方への関わる時期や関わり方を調査したりしていました。
大学院からは、女性が出産の時にどのような思いで様々な言葉を発しているのか、どのような体験をされているのかを参加観察したり、助産師にインタビューしたりして、今も、助産師の在りようを探究しています。
今の研究分野に興味を持つきっかけやエピソードを教えてください
- 病院で、出産に立ち会っている時の女性の発言に対して、その言葉の背後にはどのような思いがあるのだろうかと疑問を持っていました。そして、出産後の方ばかりいる4人部屋で、それぞれの出産の話を聞く機会を個人的にもっていましたが、その会話の中で、出産の時にあんな辛そうにしていたのに、いろんなことを聞き、見ておられるんだと感じました。これらの体験から、女性は出産の時にどのような体験をされているのかなと関心をもったことがきっかけです。
担当している授業の中の1つを紹介してください
- 地域母子保健
地域母子保健はどんな授業ですか?
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日本の母子保健の動向や課題を人口動態統計から考察し、助産師に求められている役割や活動についてデイスカッションしています。また、実際に市町村で行われている母子保健活動がどのような法律や制度の元で行われているのかを学習し、奈良市や学生の居住地や実習施設のある市町村のHPや広報から母子保健活動の取り組みを調べ、実際にその活動を自分や実習で受け持つ母子が利用することを想定して、利用方法や利用時の課題などについてグループワークをし、その結果を助産学実習で活かせるようにまとめています。そして、また病院で勤務していた時や保健センターでのバイトでの経験も交えて、病院と地域の専門家との連携の大切さや、実際に出会った在日外国人の方々の現状と支援も含めて、実習や将来働いてからも活用できるような内容も伝えています。
授業内容の全体を通して、母子の居住地である地域における助産師としての役割や他/多職種連携の方法を考察しています。
趣味や特技など好きな休日の過ごし方などを教えてください
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仕事以外の趣味を探していたちょうどその時の流行にのってから数十年、ゴスペルを続けています。流行ったきっかけの映画でも教会で歌われていたこともあり、日曜日にはプロテスタントの教会で歌っています。0歳から90歳までの様々な年齢、様々な職業や学生さんなど多種多様な背景の人たちと接することができるコミュニティであるので、いろんな視点から物事をみることを学べるため、大学の教員としての役割を行う上でも役に立っています。
その他の趣味は、映画鑑賞、散歩、カフェ巡り、自然の写真を撮る、ゴスペルフラなどです。ゴスペルフラは、自分の健康管理の目的もあり数年前からやっています。