7/13 登美ヶ丘カレッジ第20回「子どもの健康と発達-繊細な子どものからだと生活の密接な関係」を開催しました
奈良学園大学では、幅広い層の方々を対象とした公開講座「奈良学園大学登美ヶ丘カレッジ」を実施しています。
7月13日(土)に開催された第20回のテーマは、「子どもの健康と発達-繊細な子どものからだと生活の密接な関係」です。
講師は本学保健医療学部看護学科小児看護学の小池伝一准教授が務めました。
最初に、子どもの成長にともなう動く機能の発達についての説明があり、続いて、動く機能の発達と起こりやすい事故との関係性について解説がありました。
子どもは発達の途中にあり、身体の機能が未成熟なので、大人よりも危険な状態になりやすいという特徴があり、新生児は布団での窒息、誤飲のリスクがあります。
歩けるようになると、子どもは大人に比べ視野が狭いため、周囲の危険が察知できず、転倒、転落などの事故のリスクも増えてきます。
子どもの不慮の事故による死亡は、全年齢層で死亡原因の3位までにはいっています。
不慮の事故は他の病気に比べて、対策をすることによって発生のリスクを下げることができます。環境を整えれば85%は予防できると言われているとのことです。
また、「動く」「視る」機能以外に、「聞く」「話す」機能の発達についても説明があり、続いて、子どもの脳を育てる重要な役割を果たす、睡眠についても説明がありました。
子どもは、1歳から5歳のあいだはメラトニンの分泌が最大になり、昼間に目が覚め、夜間に睡眠するようになるとのことです。
このようにして、10歳ごろには睡眠・覚醒パターンが確立され、成長とともに深い眠りの「ノンレム睡眠」が増えると説明がありました。
ノンレム睡眠時には成長ホルモンが分泌され、それにより疲労が回復し、睡眠時の脳内の神経ネットワークの整理・強化によって、成長・記憶・学習が促されるとのことです。
また、睡眠中に「抗利尿ホルモンが分泌されることにより、夜間に尿を作ることが抑制され、おねしょも防げるとのことです。
朝日を浴びない、朝食を摂らないことが、サーカディアンリズム(体内時計)の乱れを招きますが、ブルーライトを浴びることによるメラトニン・ホルモン分泌の減少も、子どもの睡眠不足の原因の一因になっているとのことです。
講座の最後には、参加された方々から、子どもの機能の発達の観点から、どのように子どもたちの安全に取り組んでいけばよいかというご質問や、ブルーライトは正常なメラトニン・ホルモン分泌を妨げるということが知れたので、今後、子どもたちのスマートフォンの使い方について考えていきたいなど、様々なご意見をいただきました。