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登美ヶ丘カレッジ第10回「加齢による身長短縮についての話題提供」を開催しました。

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第10月22日(土)奈良学園大学1号館4階409教室にて、第10回登美ヶ丘カレッジを開催いたしました。
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健康に関心のあるみなさまにお集まりいただき、事前に身長や握力を測定して講座が始まりました。
身長測定に皆さん、一喜一憂されていました。
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奈良学園大学社会・国際連携センター善野八千子センター長より、この講座は大学のスクールモットーである「ひとを支える人になる」という活動の一環である主旨の話がありました。
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今回の講座は、奈良学園大学保健医療学部看護学科三浦康代教授を講師に、長きにわたる保健師の実績と経験をもとに、健康に対する講座を行いました。
三浦先生の健常な男女972名を対象とした研究によると、男性より女性のほうが、加齢による身長短縮割合が大きく、50歳以降、元の身長にもよりますが、10年で女性は平均約2cmずつ、男性は平均約1cmずつ縮むという結果が得られたそうです。
また、女性では全年代で、肥満群のほうが、正常群より身長短縮割合が有意に大きかったそうです。
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三浦康代:健診項目に身長短縮の追加を.大阪公衆衛生. 91 p.20-p.22.2020
さらに、国内外の論文を分析された結果、女性の身長短縮は、「脊柱変形(椎体骨折含む)」「骨密度減少」「筋量減少」「肥満」「膝関節変形」の5因子と関連があったそうです。
女性はホルモンの関係で、閉経後に骨密度が急低下し、椎体骨折を含む脊柱変形のリスクが多いようです。
また、女性の骨格筋量は50歳頃を境に加速し、80歳までに40%低下し、大腿四頭筋や腹筋の筋量も加齢に伴い大きく減少するそうです。その他、姿勢を保つ脊柱起立筋、大腰筋、大腿四頭筋、ヒラメ筋(ふくらはぎ)の筋量の減少が身長の縮みに関連するそうです。
大腿四頭筋を支える膝関節の軟骨がすり減ると、膝関節が変形し、これも身長の縮みにつながるそうです。
このようにさまざまな因子と関連して身長が縮むのですが、身長が縮むと、姿勢の悪化から、腰痛や様々な消化器症状・呼吸器症状をひきおこし、QOLの低下につながるそうです。
講義の途中で、介護が必要になる主な原因についてクイズ形式で行い、全問正解者が7名も出るなど、お越しの皆さまの健康に関する知識の高さが伺えました。介護が必要になる主な原因は、男性では脳血管疾患で、女性では認知症、骨折・転倒、関節疾患が多いそうです。
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講座の後半では、骨と共に大事なのが筋肉量なので、筋肉量を維持するための運動もレクチャーいただきました。
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実際に体を動かしての実践では、教室全体がハツラツとした空間となりました。
三浦先生も参加者の皆さまも、体を動かすとそれまでの真剣な表情から、リラックスした表情になっていました。
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質疑応答の時間は、将来の心配事などお話しされて、皆さまも自分ごととして、熱心に耳を傾けておられました。
講座の後、ご出席の方を学内見学にお連れするなど、和気藹々の催しとなりました。
今後とも地域の皆さまへ貢献できる情報をご提供して参ります。
次回の公開講座登美ヶ丘カレッジは、本学保健医療学部リハビリテーション学科飯塚照史教授による「怪我と病気の作業療法」を開催予定です。

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