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けいはんな学研都市学第6回「教育とイノベーション」の講義を行いました

 奈良学園大学は150を超える研究機関や大学、国立国会図書館等が集まった、学術研究都市エリア、けいはんな学研都市にキャンパスがあります。現在、全8回の講義をオムニバス形式で、けいはんな学研都市学の講義として本学学生に行っています。10月21日(土)は第6回「教育とイノベーション」について、奈良国立大学機構 奈良カレッジズ連携推進センター長の才脇直樹教授に講義をしていただきました。

 

 

 才脇教授は、ヒューマンインターフェイスについての研究をされています。今回の講義では、主に、医療・介護の現場で役立っていくセンシングウェアなどの事例や、PBL(Problem Based Learning)教育による、学生個々の発想を生かした、ヒューマンインターフェイスに関連したオープンイノベーションの取り組みを紹介していただきました。

 

 ヒューマンインターフェイスの研究では、五感インターフェースに関する研究も進められています。その中には、触覚センサや、触覚を持つアンドロイドの研究も行われています。今回、リハビリテーション学科1年生が講義を受けましたが、指先の感覚などの触覚は、看護・介護の現場では必要不可欠なものです。

 

 

 現在、政府が進めている、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会であるSociety 5.0に必要なビッグデータの集積のために注目されている、ウェアラブル生体計測についても説明していただきました。その生体計測に必要なスマートテキスタイルを作る電気を通す糸を開発したのは、けいはんな学研都市にある企業です。

 

 

 スマートテキスタイルとプリンテッドエレクトロニクスを使用したセンシングウェアやサポーター、インソールを使って、歩行、運動、リハビリなどの分析の事例も紹介していただきました。

 

 

 睡眠時無呼吸症候群の計測に利用したり、妊婦と胎児の観察、幼児の背骨の観察など、病気の兆候を見つけるには、これらのセンシングウェアなどは有効で、また、高齢者の日常生活の見守りセンサーとして、認知症の早期発見にも役立てることができるとのことです。食事・トイレなどを検知する匂いセンサーも、高齢者の行動を把握するために研究と実用化が進められているとのことです。

 

 

 学生によるヒューマンインターフェイスに関連したオープンイノベーションの例としては、センシングウェアやサポーターを使って、ギタリストの腕の筋電位変化によって、バックの画像を変化させたり、ブレイクダンサーが着用しているウェアや小道具の色を自由に変化させる演出を動画で紹介していただきました。医療関係の例としては、アトピー性皮膚炎の学生が、就寝中にかきむしるのを止めるために、Itch Trackerという睡眠中の「かき時間」の計測に取り組んだ事例もあるとのことです。

 

 

 これらの計測の一つ一つは小さなデータですが、それらのデータが集まってビッグデータになることによって、新しいサービスや社会課題の解決につながっていくとのことです。

最後に才脇教授から、学生のアイデアで、今後もイノベーションを実現していってほしいと、お話がありました。