登美ヶ丘カレッジ 第8回 「老化と付き合う健康つくり」その2を開催しました
6月11日(土)、地域の方々に参加していただいて、登美ヶ丘カレッジ 第8回 「老化と付き合う健康つくり」その2を開催しました。
今回は心の健康についてです。
頑固になったと言われるのと、丸くなったと言われるのと、どちらが良いですか?
好かれる性格や老いても影響を受けにくい心の能力について、本学保健医療学部看護学科吉村雅世教授が講演を行いました。
アメリカの精神分析家であるエリクソンは、人間の発達段階に九段階があること、それは今までと違う見方をするとか、自分より周りを見渡すといった視点や考えの変化で、獲得することが期待されています。
「周りを見渡す余裕がある」と感じるお年寄りのイメージで共通している事は、周りから尊敬されていると言えます。
アニメ作品の「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」には、周りをよく見渡し尊敬されているお婆さんが登場しますし、実在の人物ではマザー・テレサや上皇后陛下が、尊敬する人物としてあげられています。
一般的には、自分を中心に見る意識と広く自由な視野で周りを見る意識が均衡に保たれていますが、年を重ねると、その意識の均衡が崩れていきます。
広く自由な視野で周りを見るタイプの高齢者は、周りから尊敬され、好かれる性格ではないでしょうか。
逆に、自分を中心に見るタイプの高齢者は、周りから敬遠され、頑固で愚痴っぽい人と思われる人ではないでしょうか。
自分を中心に見るタイプの高齢者は、周囲の人達の態度などによる「不安」をかかえていることが多く、それが愚痴や頑固などの欲求不満につながっていることが多いと考えられます。その不安緩和に向けて、周囲が働きかけることが、重要になります。
老年期において、好かれる(尊敬される)性格を保つには、老年期ならではの知識や経験で培われた能力を活かし、活動や社会参加を続けるなど、広く周りを見る機会を持つことが大切になります。
今日、登美ヶ丘カレッジに参加いただいたみなさん。これからもこのような地域の活動にどんどん参加し、広く社会とつながってください。お友達も誘って社会参加を続けてください。
講演終了後には質疑応答が行われ、参加された皆様からは今回の講演の感想が積極的に語られました。
本学講師陣からは定期的に行われている、この「登美ヶ丘カレッジ」に、今後も社会参加の一環として参加していただければ嬉しく思いますとお話がありました。