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【海外研修】タイ・国立チェンマイ大学(保健医療学部看護学科)

タイ王国 国立チェンマイ大学での研修を終えて



3年ぶりの開講となった国際保健医療看護論演習(海外研修),9月18日から25日の日程(現地での研修は19日から23日)で,学部生6名と大学院生2名の計8人が,タイ王国チェンマイ大学での研修に参加しました。 6_IMG-3688.jpg 国際保健医療看護論演習(海外研修)プログラムは別紙のとおりです。 今年は,タイ王国でのCOVID-19対策と現状,チェンマイ大学学生の様子と大学の支援について講義をこちらからリクエストしました。 日本よりも人口あたりの感染者は少ないですが死亡者は多かったことなどから,医療の混乱の状況も容易に推察されますが,現在ではチェンマイ県で報告される新規感染者は10人前後/月とのことでした。 抗原検査キットはコンビニなどで容易に購入でき,そうした検査で「陽性」となった方々はカウントされていないようです。 6月にマスク着用義務もなくなったタイ王国ですが,日本と全く変わらずほとんどの人が現在もマスクを着用しており,本学の学生たちのマスク着用も違和感なく安堵しました。 2_IMG-3281.jpg 5_4800164647173989055.e562b6336590d65a482b430f59feaf3d.22092911.JPG 日本の学生にとっては「科学的根拠に欠ける」という先入観があった「伝統医療」も国民の保健行動や保健政策とも深いつながりがあることを現地で見聞・体験でき,健康に対する価値観や信条・行動がどのように形づくられていくのか理解を深めたようでした。 7_4800164647173989055.b8e91955593fdf40715461270c11e387.22092910.JPG 3_4800164647173989055.bf9c2a47d9e050953e3139a54e6af23d.22092910.JPG 1980年代後半,タイ王国はHIV/エイズの蔓延で国の存続も危ぶまれた国ですが,国を挙げての対策は,今や世界のエイズ対策のモデルになっています。 施設内に公的なクリニックが置かれているHIV/エイズ教育・啓蒙に関わるNGOの訪問もしました。 講義では,大学と地域・教育現場のコラボレーションで実施している幼少期から段階を追った性教育プログラムの紹介がありました。 HIV/エイズを含む性感染症や望まない妊娠に対し子どもたちに一番身近な親が関わりを躊躇するのはタイ王国でも同じようです。それを打破するプログラムに学生たちも関心を持った様子でした。 「LGBTQ+」(日本では「性的マイノリティ」と訳されています)に対する社会の受け入れも進んでいます。日本でも前向きな議論もありますが,同性婚に対する法の制約などタイ王国のレベルにまで到達するにはまだ時間がかかりそうだというのが学生たちの意見でした。これからの社会を担う学生たちがLGBTQ+をはじめ日本の社会の多様性について考えるよい機会であったと考えます。 一方,タイ王国では,助産師-看護師-保健師は1つのライセンスですから,男子学生も看護学生の間に分娩介助を経験します。周産期病棟で出会ったチェンマイ大学の男子学生さんに,妊産婦さんやご家族の反応を本学の学生から質問していましたが,「これが普通だと妊産婦さんも看護学生たちも考えているので」という回答でした。 本学学生からは「これは無理」という声がもれました。これが日本の文化なのだと理解しながらも,学生たちの反応を新鮮な驚きとして感じる部分がありました。 8_4800164647173989055.baf0738e069e3f1e3e624890066f070d.22092910.JPG 地域の病院訪問では,リハビリセンターを訪問しました。公立病院ですが,地域の寺院からの寄付でほとんどの設備が整えられたそうで,理学療法士・作業療法士・鍼灸師というタイ王国における他職種の方々のお話を伺い,治療の様子も見学させていただけました。 これまでは,病院の中の視察が多かったのですが,日本でいう包括支援の考えがタイ王国にも存在し,他職種との連携は欠かすことができない,という意味であったと理解しました。 1_4800164647173989055.02cf1661a6a2f50c6c71f833d64e2984.22092910.JPG チェンマイ大学は21学部3万2千人を超える学生数の国立大学です。1-2年生の多くはメインキャンパス内のドミトリーで生活するそうですが,郵便局からコインランドリー,レストラン,カフェ,コンビニ他商店など,その中だけで生活ができます。緑豊かで,湖もあり,インスタ映えしそうです。 看護学部は医学部看護学科から分離して50年を迎えました。大学病院のすぐ横に校舎がありますが,2年後には新校舎になるようです。現在は古い建物ではありますが,超高機能シミュレーターによる演習室複数あり,VRを用いた演習なども行われています。 COVID-19で登校できなかった間は演習で必要なものを郵送で送ったことが説明され,また,実習の機会を奪われた学生の補習も積極的に行われているとのことで,学生からは「すごいなぁ」「いいなぁ」という感嘆の声が漏れていました。
文責 保健医療学部看護学科 教授 堀内美由紀