5/17登美ヶ丘カレッジ第25回「中国古典文学思想をふまえた生き抜く知恵」を開催しました
5月17日(土)、第25回「中国古典文学思想をふまえた生き抜く知恵~次世代の子どもたちにレジリエンスを伝える~」を開催し、多くの方にご参加いただきました。 講師は人間教育学部人間教育学科准教授の冨山敦史先生に務めていただきました。
冒頭に冨山先生より参加者の皆様へ「古文や漢文を読むのが好きですか?」という質問が投げかけられました。 それに対して多くの方が「好きではない」と応えていました。 特に漢文については、難しい漢字ばかりが並んでいて馴染めないとか、覚えなければならないルールが多くて紛らわしいなどの意見をもたれていました。 中高生にとっても、入試で出題されない範囲の古文や漢文は、何のために勉強するのか分からないと考えているそうです。 しかし、新たに高校で設定された科目「古典探究」では、古典の勉強を深めることで、論理的に考えることや、言葉が持つ価値観の認識を深めることになるようです。
講座では漢字を創ったとされている蒼頡(そうけつ)にまつわる言葉や逸話を踏まえ、文字の持つ意味についての解説がありました。 前漢時代に劉安(りゅうあん)が編著した思想書『准南子』(えなんじ)の「本經訓」には、「文字を知るものは人々を支配し、知らないものは支配される」という意味の記述があるそうです。 この考え方は現在においても当てはまり、統治者の都合で歴史が記される構造を形作ったということでした。
次に、「四面楚歌」や「推敲」など、現在通用している故事成語の意味と、原典における本来的意味とに差異があることをお話いただきました。 さらに『論語』などに対する一般的なイメージ(道徳的・教訓的)と、実際に原典に記述された内容(孔子の人間臭さ・失意や焦り・負け惜しみ等)との違いや、詩人としての杜甫や李白、白居易などの生き様についてもお話しいただきました。
混迷する現代社会において、人々が困難やストレスに直面した際に、中国古典文学思想に記されたさまざまな考え方や知恵が、それらをしなやかに乗り越え回復する能力である「レジリエンス」を高めるヒントになることを教えていただきました。
そして最後に、これらのレジリエンスを次世代に伝えていく担い手として、シニア世代の地域社会での活躍(ネガティヴ・ケイパビリティの概念を踏まえた居場所づくり)が期待されると提案され、講座が締めくくられました。
講座終了後も参加者から多くの質疑応答があり、講座内容に深く興味を持っていただいたようです。 本学では今後も地域の皆様の生涯学習と健康・福祉に貢献できるよう、公開講座を開催してまいります。皆様のご参加を心よりお待ちしています。
冒頭に冨山先生より参加者の皆様へ「古文や漢文を読むのが好きですか?」という質問が投げかけられました。 それに対して多くの方が「好きではない」と応えていました。 特に漢文については、難しい漢字ばかりが並んでいて馴染めないとか、覚えなければならないルールが多くて紛らわしいなどの意見をもたれていました。 中高生にとっても、入試で出題されない範囲の古文や漢文は、何のために勉強するのか分からないと考えているそうです。 しかし、新たに高校で設定された科目「古典探究」では、古典の勉強を深めることで、論理的に考えることや、言葉が持つ価値観の認識を深めることになるようです。
講座では漢字を創ったとされている蒼頡(そうけつ)にまつわる言葉や逸話を踏まえ、文字の持つ意味についての解説がありました。 前漢時代に劉安(りゅうあん)が編著した思想書『准南子』(えなんじ)の「本經訓」には、「文字を知るものは人々を支配し、知らないものは支配される」という意味の記述があるそうです。 この考え方は現在においても当てはまり、統治者の都合で歴史が記される構造を形作ったということでした。
次に、「四面楚歌」や「推敲」など、現在通用している故事成語の意味と、原典における本来的意味とに差異があることをお話いただきました。 さらに『論語』などに対する一般的なイメージ(道徳的・教訓的)と、実際に原典に記述された内容(孔子の人間臭さ・失意や焦り・負け惜しみ等)との違いや、詩人としての杜甫や李白、白居易などの生き様についてもお話しいただきました。
混迷する現代社会において、人々が困難やストレスに直面した際に、中国古典文学思想に記されたさまざまな考え方や知恵が、それらをしなやかに乗り越え回復する能力である「レジリエンス」を高めるヒントになることを教えていただきました。
そして最後に、これらのレジリエンスを次世代に伝えていく担い手として、シニア世代の地域社会での活躍(ネガティヴ・ケイパビリティの概念を踏まえた居場所づくり)が期待されると提案され、講座が締めくくられました。
講座終了後も参加者から多くの質疑応答があり、講座内容に深く興味を持っていただいたようです。 本学では今後も地域の皆様の生涯学習と健康・福祉に貢献できるよう、公開講座を開催してまいります。皆様のご参加を心よりお待ちしています。