第 4 回奈良学園大学数学セミナーを開催します(8/26〜8/28)
第 4 回奈良学園大学数学セミナー
第 4 回奈良学園大学数学セミナーを下記の通り開催いたします.
日程:2024 年 8 月 26 日(月)~8 月 28 日(水)
場所:奈良学園大学 3 号館 4 階 3404 教室
【8 月 26 日(月)】
[14 : 30 ∼ 15 : 30] 青影 一哉(有明工業高等専門学校)
タイトル:Even bar core, Even bar quotient
bar core,bar quotient は対称群の被覆群の表現論において重要な役割を果たす.これはヤング図形のCore,quotient の類似の概念にあたるものである.
bar core, bar quotient の組合せ論は Olsson 氏によりよく調べられているが,even bar に関しては難しいとだけ言及されている.もちろん知っている可能性は高いが論文への記載がない.
今回は,安東氏との共同研究で得られた,even bar core, even bar quotient の計算方法をお話ししたい.
[16 : 00 ∼ 17 : 00] 山田 裕史(岡山大学)
タイトル:ユニタリ群上のベクトル場
1980 年代,私が広島大学の大学院生だった頃にヴィラソロ代数の特異ベクトルを記述するという仕事をしたことがある.
当時助教授だった脇本實氏との共同研究だ.共著論文が出る前に,結果を知った N. Wallach氏が極めて独創的な方法で我々の定理の別証明を与えた.今回はそのあたりの話をしたい.
【8 月 27 日(火)】
[10 : 30 ∼ 11 : 30] 小笠原 健(獨協医科大学)
タイトル:医学部における数学教育,および研究について
講演の前半では,医学部における数学教育の位置付けや現状についてお話しする.後半では,私が行った,または関わった研究(数学,医学)について簡潔にお話しする.
ここに,数学の研究とは,モジュラー形式を計算することによって,特定の分岐特性をもつ PGL(2,p) 数体を探索したというものである.
[13 : 30 ∼ 14 : 30] 宮川 貴史(尾道市立大学)
タイトル:Barnes 2 重ゼータ関数の解析的性質
Riemann ゼータ関数を多重級数の形に拡張させた様々な形の多重ゼータ関数が導入され,もとの Riemannゼータ関数に類似した解析的性質や級数論としての理論が構築されている.
それらのうち,Barnes 型と呼ばれる 2 重ゼータ関数を研究対象として,いくつかの解析的性質を与えた.
本講演では,最近得られたローラン展開の部分的な結果について,多重でないゼータ関数の場合と比較しながら紹介する.
[15 : 00 ∼ 16 : 00] 清原 悠貴(北海道大学)
タイトル:3 次元ハイゼンベルグ群の平均曲率 0 曲面と調和写像
3 次元ハイゼンベルグ群には 1 種類の左不変リーマン計量と 3 種類の左不変ローレンツ計量が存在することが知られている.
そのうち非平坦な計量のもとでは,平均曲率が 0 の曲面が対称空間への調和写像によって特徴づけられる場合がある.
本講演では,平均曲率 0 曲面と調和写像の関係性を解説し,時間があれば,その応用である Weierstrass 型表現についても紹介したい.
[16 : 30 ∼ 17 : 30] 原口 忠之(奈良学園大学)
タイトル:微分空間の圏と位相空間の圏のモデル構造の Quillen 同値性について
微分空間と滑らかな写像で定まる圏を Diff とする.位相空間の圏 Top の Quillen モデル構造と類似するモデル構造を圏 Diff に導入できることが証明されている.
本講演では,圏 Diff と圏 Top のモデル構造がQuillen 同値になることの紹介をする.
【8 月 28 日(水)】
[10 : 30 ∼ 11 : 30] 飯間 圭一郎(奈良工業高等専門学校)
タイトル:Ext 加群の連続消滅とイデアル閉包について
1971 年に Ramras により導入された「(強)テスト加群」の概念を,緩やかに拡張した 「n-テスト加群」を定義し,その基本性質について整備した.
その応用として、[Celikbas-Iima-Sadeghi-Takahashi(2018)] の一つの結果「弱 m 充満イデアルは 2-テスト加群である」について別証明を与えた.
※8 月 26 日,27 日はともに奈良駅か近鉄奈良駅周辺で懇親会を予定しています.
世話人:安東雅訓,原口忠之
連絡先:原口忠之 (t-haraguchi#naragakuen-u.jp)
※# 記号を @ 記号に置き換えて下さい。