けいはんな学研都市学第8回「高齢者生活とイノベーション」を開催しました
11月2日(木)、奈良学園大学1号館4階の大講義室にて、第8回けいはんな学研都市学「高齢者生活とイノベーション」を開催しました。
講師は積水ハウス株式会社総合住宅研究所健康研究開発グループの田中眞ニ先生です。
講座に先立って、積水ハウス総合住宅研究所が木津川市に設けた「納得工房」についてご紹介いただきました。
住まいづくりに役立つ知識が楽しく学べる施設で、特に介護住宅などの技術や実例などをぜひ見学に来てほしいとお話がありました。
講座ではまず、わが国の住まいの状況に関してデータを通して説明いただきました。
厚生労働省が進める地域包括ケアシステムは、医療・介護などの専門職から地域の住民一人ひとりまで様々な人たちが力を合わせて高齢化社会に対応していこうという考え方だそうです。
それに基づいて、自分の住まいで長く暮らせることを目指したバリアフリー住宅について、その事例と開発経緯などのお話をいただきました。
データから読み取ると、要介護要支援が必要な人のうち、施設利用者が30%に止まり、残りの70%が自宅で生活をしているそうです。
そうした状況の中で、わが国では2025年には6人に1人が高齢者となり、居住環境向上技術の開発が急がれます。
また、通産省が高齢者・身体障害者ケアシステム技術の開発を、そして建設省が長寿社会における居住環境向上技術の開発を推進することを打ち出しているそうです。
積水ハウスでは、早い時期から、個人住宅向けのエレベーター施設などの開発をはじめ、廊下や階段の形状についての研究、トイレや浴室の手すりの形状や取り付け位置についての研究開発などを進めて来たそうです。
「バリアフリー」という言い方から、最近では生涯住宅思想を踏まえて「スマートユニバーサルデザイン」という言い方がなされているようです。
住宅は人が一生涯にわたり付き合っていくものであり、高齢者介護という概念にとらわれず、誰でも住みやすい住宅環境の開発が望まれているそうです。
これからの日本社会で「健康」は大切なキーワードです。
人生最後の10年間を、いかに暮らすかが大事なになっていくと、お話がありました。