新着ニュース

第28回登美ケ丘カレッジ「空間(図形)の分類について」を開催しました

10月18日(土)、第28回登美ケ丘カレッジを開催しました。

今回の講師は、位相幾何学を専門とする人間教育学部の原口忠之先生で、「空間(図形)の分類について」をテーマに講義を行っていただきました。

講義は、「ホールケーキを6等分するにはどうすればよいか」という身近な問題からスタートし、三角比を用いた解法を通じて数学的思考への導入が行われました。その後、図形の関係性として「合同」「相似」「同相」の違いについて、具体的な例を交えて丁寧に解説されました。特に「同相」は、切断や貼り合わせを伴わず、伸縮によって変形可能な図形の関係を指すものであり、参加者の多くが新鮮な概念として興味深く聴講していました。

続いて、数字や平面図形を題材に、同相な図形を分類する演習を行い、1次元および2次元での位相的な見方を体験しました。また、図形を識別するための指標である「オイラー標数」についても紹介され、「χ(K)=頂点の数−辺の数+面の数」という式を用いて、三角形・四角形・六角形、さらに穴のある図形のオイラー標数を求める課題にも挑戦しました。

講義の終盤には、「ピザの定理」というユーモラスな数学問題も紹介され、参加者の笑いと驚きが交錯する和やかな雰囲気で締めくくられました。

身近な題材から始まり、徐々に抽象的な数学の世界へと誘う構成で、参加者からは「難しい内容を身近な例で理解できた」「数学の奥深さを改めて感じた」との感想が寄せられました。

今回の登美ケ丘カレッジは、日常生活の中にも潜む数学的思考の魅力を再発見する貴重な機会となりました。